「日本へ行(い)くことになりました。」
この2つの文(ぶん)は、日本語(にほんご)では全(まった)く違(ちが)う状況(じょうきょう)で使(つか)います。
- 〜ことにする: 自分(じぶん)の決定(けってい)(Active)
- 〜ことになる: 他(ほか)の決定(けってい)・ルール(Passive)
これは、「する(Do)」と「なる(Become)」の違(ちが)いと関係(かんけい)があります。間違(まちが)うと、自分勝手(じぶんかって)に聞(き)こえたり、無責任(むせきにん)に聞(き)こえたりします。正(ただ)しい使(つか)い方(かた)を覚(おぼ)えましょう!
用法解説①: 「〜ことにする」 〜 自分(じぶん)で決(き)める
「〜ことにする」は、自分(じぶん)で決(き)めたことを話(はな)す時(とき)に使(つか)います。
あなたの「意志(いし)(Will)」や「選択(せんたく)(Choice)」を表(あらわ)します。「私がこれをします!」という気持(きも)ちです。
形(かたち): 動詞(辞書形・ない形) + ことにする
- 例文 1: (ダイエット)
- 明日(あした)から、ダイエットをことにします。(Ashita kara, daietto o koto ni shimasu.)
I decide to start a diet from tomorrow.
- 例文 2: (選択)
- このパソコンを買(か)うことにしました。(Kono pasokon o kau koto ni shimashita.)
I decided to buy this computer. (I chose it.)
- 例文 3: (しないと決める)
- 今日(きょう)は、パーティーに行(い)かないことにします。(Kyō wa, pātī ni ikanai koto ni shimasu.)
I decide not to go to the party today.
ポイント: 「私(わたし)が決(き)めた」と言(い)いたい時は、「〜ことにする」です。
用法解説②: 「〜ことになる」 〜 決(き)まったこと(結果)
「〜ことになる」は、他(ほか)の人(ひと)やグループ、状況(じょうきょう)によって決(き)まったことを話(はな)す時(とき)に使(つか)います。
「〜という結果(けっか)になった」「ルールでそうなっている」という意味(いみ)です。自分(じぶん)の意志(いし)よりも、「決(き)まった事実(じじつ)」を伝(つた)えます。
形(かたち): 動詞(辞書形・ない形) + ことになる
- 例文 1: (転勤・仕事)
- 来月(らいげつ)、東京(とうきょう)へ転勤(てんきん)することになりました。(Raigetsu, Tōkyō e tenkin suru koto ni narimashita.)
It has been decided that I will transfer to Tokyo next month. (Company order)
- 例文 2: (グループの決定)
- 次(つぎ)の会議(かいぎ)は、水曜日(すいようび)に行(おこな)うことになりました。(Tsugi no kaigi wa, suiyōbi ni okonau koto ni narimashita.)
It was decided that the next meeting will be held on Wednesday.
- 例文 3: (ルール)
- ここに入(はい)ってはいけないことになっています。(Koko ni haitte wa ikenai koto ni natte imasu.)
It is the rule that you must not enter here.
ポイント: 「(周(まわ)りの状況(じょうきょう)で)そうなった」と言(い)いたい時は、「〜ことになる」です。
比較:「〜ことにする」 vs 「〜ことになる」
誰(だれ)が決(き)めましたか?
| 文法 | 意味 | 決定者(だれ?) | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 〜ことにする (koto ni suru) |
〜と決める | 私(わたし) | 能動的(のうどうてき)(Active)。自分(じぶん)の意志(いし)。 |
| 〜ことになる (koto ni naru) |
〜と決まる | 他人・グループ・運命 | 受動的(じゅどうてき)(Passive)。結果(けっか)、ルール。 |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 会社(かいしゃ)の転勤(てんきん)について
- 間違い (Wrong):
- 来月、アメリカに行(い)くことにしました。(Raigetsu, Amerika ni iku koto ni shimashita.)
- 理由:
- 会社(かいしゃ)の命令(めいれい)なのに「しました」を使(つか)うと、「私(わたし)が(会社に頼(たの)んで)決(き)めました」というふうに聞(き)こえます。
- 正しい (Correct):
- 来月、アメリカに行(い)くことになりました。(Raigetsu, Amerika ni iku koto ni narimashita.)
- ※「会社が決めたので(私は行きます)」という自然(しぜん)な報告(ほうこく)になります。
間違い 2: 自分(じぶん)の目標(もくひょう)
- 間違い (Wrong):
- 毎日(まいにち)ジョギングすることになりました。(Mainichi jogingu suru koto ni narimashita.)
- 理由:
- これだと、「誰(だれ)かに命令(めいれい)されて」嫌々(いやいや)やっているように聞(き)こえます。自分(じぶん)で決(き)めたことなら、「ことにしました」(または「ことにしています」)を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! 正(ただ)しいほうを選(えら)んでください。
Q1.
(レストランでメニューを見(み)て)「私(わたし)は、カレー ( ) 。」
(Looking at a menu) “I ( ) curry.”
- にする / ことにする (ni suru / koto ni suru)
- になる / ことになる (ni naru / koto ni naru)
Q2.
(結婚(けっこん)が決(き)まった時、友達(ともだち)への報告(ほうこく))
「私(わたし)たち、結婚(けっこん)する ( ) 。」
(Reporting to a friend) “We ( ) get married.” (報告(ほうこく))
- ことにしました (koto ni shimashita)
- ことになりました (koto ni narimashita)
Q3.
(医者(いしゃ)に言(い)われて)「お酒(さけ)を飲(の)まない ( ) 。」
(Advised by a doctor) “I ( ) stop drinking.” (自分(じぶん)の決心(けっしん))
- ことにしました (koto ni shimashita)
- ことになりました (koto ni narimashita)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) にする / ことにする – 自分(じぶん)で選(えら)んでいます(Active choice)。
Q2. (b) ことになりました – 日本語(にほんご)では、結婚(けっこん)などの人生(じんせい)のイベントは「(縁(えん)があって)そうなった」という謙虚(けんきょ)な表現(ひょうげん)として「なりました」をよく使(つか)います。
Q3. (a) ことにしました – 医者(いしゃ)に言(い)われても、最後(さいご)に「やめる!」と決(き)めたのはあなたです。自分(じぶん)の意志(いし)です。
まとめ: 誰(だれ)が決(き)めた?
- 私(わたし)が決めた: 〜ことにする (Active)。
- 他(ほか)の人(ひと)・状況(じょうきょう)が決めた: 〜ことになる (Passive)。
「する(Do)」はアクション、「なる(Become)」は自然(しぜん)な変化(へんか)。これを覚(おぼ)えておけば大丈夫(だいじょうぶ)です!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「〜ことにしている」とは何ですか?
- A1: これは「ことにする」の継続形(けいぞくけい)です。「(自分で決めて)習慣(しゅうかん)にしている」という意味です。例:毎日野菜を食べることにしています。
- Q2: 「〜ことになっている」とは何ですか?
- A2: これは「ことになる」の継続形です。「ルール」や「規則(きそく)」、「スケジュール」を表します。例:教室では日本語を話すことになっています(そういうルールです)。
- Q3: 会社の決定に「ことにする」を使えますか?
- A3: あなたが社長(しゃちょう)で、あなたが決めたなら使えます。でも、社員(しゃいん)として報告(ほうこく)する場合は、「〜ことになりました」を使うのが普通です。「ことにしました」と言うと、あなたが勝手(かって)に決めたように聞こえます。
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