日本語(にほんご)でよく使(つか)う表現(ひょうげん)ですね。
でも、ニュースやビジネスメールでは「〜つつ」という言葉(ことば)を見(み)ることがあります。これも「〜しながら」という意味(いみ)です。
違(ちが)いは何(なん)でしょうか? ひとつは「カジュアルな日常(にちじょう)」、もうひとつは「フォーマルな書(か)き言葉(ことば)」です。この記事(きじ)では、この2つの「同時進行(どうじしんこう)」の文法(ぶんぽう)を説明(せつめい)します。
用法解説①: 「〜ながら」 (nagara) 〜 日常会話(にちじょうかいわ)
「〜ながら」は、「Aをしながら、Bをする」と言(い)いたいときに、一番(いちばん)よく使(つか)う言葉(ことば)です。日常会話(にちじょうかいわ)や、カジュアルな文章(ぶんしょう)で使(つか)います。
同(おな)じ人(ひと)が、2つのアクションを同時(どうじ)にしているときに使(つか)います。メインのアクションは、後(うし)ろの言葉(ことば)です。
形(かたち): 動詞のます形(ますを取る) + ながら (例:食べ+ながら)
- 例文 1: (習慣)
- 音楽(おんがく)を聞(き)きながら、勉強(べんきょう)します。(Ongaku o kiki nagara, benkyō shimasu.)
I study while listening to music.
- 例文 2: (歩く)
- 歩(ある)きながら、話(はな)しましょう。(Aruki nagara, hanashimashō.)
Let’s talk while walking.
- 例文 3: (禁止)
- スマホを見(み)ながら、運転(うんてん)してはいけません。(Sumaho o mi nagara, unten shite wa ikemasen.)
You must not drive while looking at your smartphone.
ポイント: 体(からだ)を使(つか)う日常的(にちじょうてき)なアクション(食べる、歩く、見る)には、「〜ながら」を使(つか)います。
用法解説②: 「〜つつ」 (tsutsu) 〜 書(か)き言葉(ことば)・フォーマル
「〜つつ」も「〜しながら」という意味(いみ)ですが、とても硬(かた)い(Formal)表現(ひょうげん)です。レポート、ニュース、スピーチなどで使(つか)われます。
単(たん)に2つの動作(どうさ)を同時(どうじ)にするだけでなく、時間(じかん)をかけて考(かんが)えたり、進(すす)めたりするニュアンスがあります。
形(かたち): 動詞のます形(ますを取る) + つつ (例:食べ+つつ)
- 例文 1: (ビジネス)
- 問題(もんだい)を検討(けんとう)しつつ、進(すす)めます。(Mondai o kentō shi tsutsu, susumemasu.)
We will proceed while considering the problem.
- 例文 2: (話し合い)
- 様子(ようす)を見(み)つつ、考(かんが)えましょう。(Yōsu o mi tsutsu, kangaemashō.)
Let’s think about it while watching the situation.
- 例文 3: (文学的)
- 過去(かこ)を振(ふ)り返(かえ)りつつ、未来(みらい)を語(かた)った。(Kako o furikaeri tsutsu, mirai o katatta.)
He spoke of the future while looking back on the past.
ポイント: 頭(あたま)を使(つか)うアクション(考える、相談する)や、硬(かた)い文章(ぶんしょう)には、「〜つつ」が使(つか)われます。
比較:「〜ながら」 vs 「〜つつ」
フォーマルさのレベルをチェックしましょう!
| 文法 | 意味 | スタイル | シチュエーション |
|---|---|---|---|
| 〜ながら (nagara) |
〜している間に | カジュアル・標準 (会話) |
日常の動作(食べる、歩く、テレビを見る)。 |
| 〜つつ (tsutsu) |
〜している間に | フォーマル・硬い (書き言葉・ビジネス) |
精神的(せいしんてき)な動作(考える)、レポート。 |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 日常生活(にちじょうせいかつ)で「つつ」を使(つか)う
- 間違い (Wrong):
- ガムを噛(か)みつつ、話(はな)しました。(Gamu o kami tsutsu, hanashimashita.)
- 正しい (Correct):
- ガムを噛(か)みながら、話(はな)しました。(Gamu o kami nagara, hanashimashita.)
- なぜ? (Why?):
- 「ガムを噛む」はとてもカジュアルな動作(どうさ)です。硬(かた)い言葉(ことば)の「つつ」を使(つか)うと、バランスが悪(わる)くて変(へん)です。
間違い 2: 形(かたち)の間違(まちが)い
- 間違い (Wrong):
- テレビを見てながら、食べます。(Terebi o mi te nagara…)
- 正しい (Correct):
- テレビを見ながら、食べます。(Terebi o mi nagara…)
- なぜ? (Why?):
- 「て形(te-form)」は使(つか)いません! 「ます形(stem)」(ますを取(と)った形(かたち))を使(つか)います。
見ます → 見ながら。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! ( ) に入(はい)る正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
(友達と)お茶(ちゃ)を飲み ( ) 話しましょう。
(With a friend) Let’s talk while drinking tea.
- つつ (tsutsu)
- ながら (nagara)
Q2.
(ビジネスメール)社員(しゃいん)と相談(そうだん)し ( )、計画(けいかく)を立(た)てます。
(Business email) We will make a plan while consulting with the employees.
- つつ (tsutsu)
- ながら (nagara)
(注:「ながら」も間違いではありませんが、書(か)き言葉(ことば)として適(てき)しているのは?)
Q3.
アルバイトをし ( )、大学(だいがく)に通(かよ)っています。
I go to university while doing a part-time job. (Long-term state)
- ながら (nagara)
- どっちでもいい (Both are OK)
クイズの答(こた)え
Q1. (b) ながら – お茶(ちゃ)を飲(の)むのは、日常的(にちじょうてき)なアクションです。
Q2. (a) つつ – ビジネスの場面(ばめん)では、「つつ」がプロフェッショナルに聞(き)こえます。
Q3. (b) どっちでもいい – 長(なが)い期間(きかん)の状態(じょうたい)については、どちらも使(つか)えます。「ながら」が一般的(いっぱんてき)ですが、「つつ」を使(つか)うと「苦労(くろう)して両立(りょうりつ)している」というニュアンスが出(で)ます。
まとめ: 使い分けのポイント
- 〜ながら: 毎日(まいにち)の生活(せいかつ)。体(からだ)を使(つか)う動作(どうさ)。会話(かいわ)。「食べながら見る」。
- 〜つつ: ビジネス。書(か)き言葉(ことば)。頭(あたま)を使(つか)う動作(どうさ)。「検討(けんとう)しつつ進(すす)める」。
初心者(しょしんしゃ)の方は、まず「〜ながら」を覚(おぼ)えれば大丈夫(だいじょうぶ)です!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 日常会話で「つつ」を使ってもいいですか?
- A1: あまり使いません。「ガムを噛(か)みつつ」と言うと、とても不自然(ふしぜん)で硬(かた)く聞こえます。日常の動作には、「〜ながら」を使ってください。
- Q2: 「つつ」には他の意味がありますか?
- A2: はい! 「〜つつ」 は「〜けれども(Although)」という意味でも使います。例:悪いと知りつつ、嘘をついた(悪いと知っていたけれど、嘘をついた)。これはN2/N1レベルの使い方です。
- Q3: どうやって形を作りますか?
- A3: どちらも動詞のます形(ますを取る)を使います。
- 食べます → 食べながら / 食べつつ
- 行きます → 行きながら / 行きつつ
関連記事(かんれんきじ)




