この「でも」を文(ぶん)の中(なか)で言(い)うとき、あなたは「けれども」を使(つか)いますか? それとも「のに」を使(つか)いますか?
- 勉強(べんきょう)したけれども、できませんでした。(事実(じじつ))
- 勉強(べんきょう)したのに、できませんでした。(感情(かんじょう):「なんで?!」)
ひとつは普通(ふつう)の文(ぶん)ですが、もうひとつは強(つよ)い感情(かんじょう)(驚(おドロ)きや不満(ふまん))が入(はい)っています。この記事(きじ)では、この2つの違(ちが)いを説明(せつめい)します。
用法解説①: 「のに」 (noni) 〜 驚き・不満
「のに」は、2つの文(ぶん)をつなぎます。意味(いみ)は「although」や「even though」です。
ポイントは、「予想外(よそうがい)の結果(けっか)(Unexpected Result)」です。「Aだから、当然(とうぜん)Bになるはずだ」と思(おも)っていたのに、違(ちが)う結果(けっか)になったとき、驚(おドロ)きや、残念(ざんねん)な気持(きも)ち、不満(ふまん)を表(あらわ)します。
文法(ぶんぽう): 普通形(ふつうけい) + のに (※な形容詞・名詞は「な」をつけます)
- 例文 1: (不満・文句)
- あんなに練習(れんしゅう)したのに、負(ま)けました。(Anna ni renshū shita noni, makemashita.)
Even though I practiced so much, I lost. (I am frustrated!)
- 例文 2: (驚き)
- 春(はる)なのに、暑(あつ)いです。(Haru na noni, atsui desu.)
Even though it is spring, it is hot. (Strange!)
- 例文 3: (残念)
- 約束(やくそく)したのに、彼(かれ)は来(き)ませんでした。(Yakusoku shita noni, kare wa kimasen deshita.)
Although we promised, he didn’t come. (I’m upset.)
ポイント: 「変(へん)だな」「ずるいな」「なんで?」という感情(かんじょう)があるときは、「のに」を使(つか)います。
用法解説②: 「けれども」 (keredomo) 〜 丁寧な「が」
「けれども」も、「but」や「although」の意味(いみ)です。短(みじか)くして「けれど」「けど」とも言(い)います。
これは、中立的(ちゅうりつてき)(Neutral)なつなぎ言葉(ことば)です。事実(じじつ)を並(なら)べたり、「〜ですが…」と前置(まえお)きをして、話(はなし)をソフト(soft)にするために使(つか)います。強(つよ)い感情(かんじょう)は入(はい)りません。
- 例文 1: (事実の対比)
- このパソコンは高(たか)いですけれども、性能(せいのう)はいいです。(Kono pasokon wa takai desu keredomo, seinō wa ii desu.)
This computer is expensive, but the performance is good. (Neutral fact)
- 例文 2: (前置き・クッション)
- すみません、田中(たなか)ですけれども、社長(しゃちょう)はいますか?(Sumimasen, Tanaka desu keredomo, shachō wa imasu ka?)
Excuse me, this is Tanaka, but… is the president there?
- 例文 3: (カジュアルな会話 – けど)
- 行(い)きたいけど、時間(じかん)がない。(Ikitai kedo, jikan ga nai.)
I want to go, but I have no time.
ポイント: 事実(じじつ)を言(い)うときや、丁寧(ていねい)に話(はな)したいときは、「けれども」(または「が」)を使(つか)います。一番(いちばん)安全(あんぜん)な言葉(ことば)です。
比較:「のに」 vs 「けれども」
気持(きも)ちの違(ちが)いを見(み)てみましょう。
| ポイント | のに | けれども |
|---|---|---|
| 意味(いみ) | 〜だけれど (Even though) | 〜が (But, However) |
| ニュアンス | 予想外(よそうがい)・感情(かんじょう) (不満、後悔、驚き) |
中立(ちゅうりつ)・接続(せつぞく) (事実、前置き、自己紹介) |
| 使うとき | 予想(よそう)と違(ちが)う結果(けっか)になったとき。 | 文(ぶん)をつなぐとき。 |
| 文法(名詞) | 学生なのに | 学生ですけれども |
| 例文 | 高いのに、まずい。 (高いからおいしいはずだ!変だ!) |
高いけれども、おいしい。 (高いです。でも、おいしいです。) |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: お願(ねが)いする時(とき)
- 間違い (Wrong):
- すみません、ペンを借(か)りたいのに、いいですか?(Sumimasen, pen o karitai noni, ii desu ka?)
- 正しい (Correct):
- すみません、ペンを借(か)りたいのですが(けれども)、いいですか?(Sumimasen, pen o karitai no desu ga, ii desu ka?)
- なぜ? (Why?):
- ここで「のに」を使(つか)うと、「借りたかったのに(貸してくれなかった)!」という文句(もんく)のように聞(き)こえます。丁寧(ていねい)に話(はなし)を始(はじ)めるときは、「が」や「けれども」を使(つか)います。
間違い 2: 当然(とうぜん)の結果(けっか)
- 間違い (Wrong):
- 雨(あめ)が降(ふ)っているのに、外(そと)に出(で)ません。(Ame ga futte iru noni, soto ni demasen.)
- 正しい (Correct):
- 雨(あめ)が降(ふ)っているから、外(そと)に出(で)ません。(Ame ga futte iru kara, soto ni demasen.)
- なぜ? (Why?):
- 「雨だから出ない」のは、普通(ふつう)の理由(りゆう)です。「のに」は使(つか)えません。もし「雨が降っているのに、外に出ます(Even though it’s raining, I go out)」なら、びっくりするので「のに」が使(つか)えます。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! 正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
薬(くすり)を飲(の)んだ ( )、まだ熱(ねつ)が下(さ)がりません。
( ) I took medicine, my fever hasn’t gone down yet.
- のに (noni)
- から (kara)
Q2.
すみません、トイレに行(い)きたいです ( )、どこですか?
Excuse me, I want to go to the bathroom, ( ) where is it?
- のに (noni)
- けれども (keredomo)
Q3.
日曜日(にちようび)( )、働(はたら)かなければなりません。
( ) it is Sunday, I have to work. (文句(もんく))
- な けれども (na keredomo)
- な のに (na noni)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) のに – 治(なお)ると思(おも)ったのに、治(なお)らなくて残念(ざんねん)だ、という気持(きも)ちです。
Q2. (b) けれども – 丁寧(ていねい)に質問(しつもん)を始(はじ)めています。
Q3. (b) な のに – 「日曜日なのに(休めないなんてひどい)!」という不満(ふまん)です。(名詞(めいし)なので「な」が必要(ひつよう)です。)
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
あなたの気持(きも)ちはどうですか?
- のに (noni): 「なんで?!」(驚(おドロ)き・不満(ふまん))。
予想(よそう)と違(ちが)うことが起(お)きた時(とき)。 - けれども (keredomo): 「〜ですが…」(中立(ちゅうりつ)・丁寧(ていねい))。
ただ文(ぶん)をつなぐ時(とき)や、丁寧(ていねい)に話(はな)す時(とき)。
ただ「Aですが、Bです」と言(い)いたいときは、「けれども」(または「が」)を使(つか)えば大丈夫(だいじょうぶ)です!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「けど」「けれど」「けれども」の違いは何ですか?
- A1: 全部「but」という意味ですが、丁寧(ていねい)さのレベルが違います。
- けど: カジュアル(友達(ともだち)との会話(かいわ))
- けれど: 普通(ふつう)(標準的(ひょうじゅんてき))
- けれども: フォーマル・とても丁寧(スピーチ、書(か)き言葉(ことば)、ビジネス)
- Q2: 「けれども」の代わりに「が」を使ってもいいですか?
- A2: はい! 「が」 は 「けれども」 とてもよく似(に)ています。どちらも「〜ですが、…」と文をつなぎます。例:食べましたが、お腹が空いています。(I ate, but I’m hungry.)
- Q3: どうして「なのに」になる時があるのですか?
- A3: 「のに」の前(まえ)には、「名詞修飾形(めいししゅうしょくけい)」が必要(ひつよう)だからです。な形容詞(けいようし)と名詞(めいし)の場合(ばあい)は、「のに」の前に「な」を付けなければなりません。
- 好きなのに
- 日曜日なのに
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