「分かる」は、「I get it」「I know」という、毎日(まいにち)使(つか)う言葉(ことば)です。
「理解する」は、「I comprehend」「(深(ふか)く)分(わ)かる」という、少(すこ)しフォーマルな言葉(ことば)です。
間違(まちが)って使(つか)うと、あなたの日本語(にほんご)が不自然(ふしぜん)に聞(き)こえたり、真面目(まじめ)すぎたりします。この記事(きじ)では、N5〜N3の学習者(がくしゅうしゃ)のために、簡単(かんたん)な違(ちが)いを説明(せつめい)します。
用法解説①: 「分かる」(わかる) 〜 “To Know” / “To Get It”
「分かる」(わかる)は、あなたが一番(いちばん)よく使(つか)う言葉(ことば)です。情報(じょうほう)を受(う)け取(と)って、それを「知(し)っている」または「ゲット(get)した」という意味(いみ)です。一般的(いっぱんてき)な、感覚的(かんかくてき)な「わかり」です。
事実(じじつ)や、言葉(ことば)、簡単(かんたん)な状況(じょうきょう)でよく使(つか)います。大切(たいせつ)な助詞(じょし)は、「が (ga)」や「は (wa)」です。
- 例文 1: (事実(じじつ)を知(し)っている)
- 私(わたし)は、彼(かれ)の電話番号(でんわばんごう)が分かります。(Watashi wa, kare no denwa bangō ga wakarimasu.)
I know his phone number.
- 例文 2: (言葉(ことば)が分(わ)かる)
- 日本語(にほんご)が、少(すこ)し分かります。(Nihongo ga, sukoshi wakarimasu.)
I understand a little Japanese.
- 例文 3: (ポイントを分(わ)かる)
- A: 「分かりますか?」 (Wakarimasu ka?) – “Do you understand?”
B: 「はい、分かりました。」 (Hai, wakarimashita.) – “Yes, I get it.”
ポイント: 「分かる」は、毎日(まいにち)の「分(わ)かった!」、事実(じじつ)を知(し)っていること、教室(きょうしつ)での「分(わ)かりました」に使(つか)います。
用法解説②: 「理解する」(りかいする) 〜 “To Comprehend”
「理解する」(りかいする)は、もっとフォーマルで、「深(ふか)い」言葉(ことば)です。”comprehend” や「物事(ものごと)の理由(りゆう)や仕組(しく)みを(論理的(ろんりてき)に)分(わ)かる」という意味(いみ)です。ただ事実(じじつ)を知(し)っているだけではなく、*なぜ*そうなっているか、*どうやって*そうなっているか、を分(わ)かることです。
難(むずか)しいトピックや、理論(りろん)、人(ひと)の深(ふか)い気持(きも)ちなどによく使(つか)います。大切(たいせつ)な助詞(じょし)は「を (o)」です。
- 例文 1: (難(むずか)しいトピック)
- その理論(りろん)を理解するのは、難(むずか)しい。(Sono riron o rikai suru no wa, muzukashii.)
It is difficult to comprehend that theory.
- 例文 2: (気持(きも)ちを分(わ)かる)
- あなたの気持(きも)ちを理解します。(Anata no kimochi o rikai shimasu.)
I understand your feelings (deeply).
- 例文 3: (フォーマルな状況(じょうきょう))
- 内容(ないよう)を、正(ただ)しく理解してください。(Naiyō o, tadashiku rikai shite kudasai.)
Please comprehend the contents correctly. (Formal)
ポイント: 「理解する」は、「comprehend(深(ふか)く分(わ)かる)」と言(い)いたい時(とき)に使(つか)います。フォーマルで、論理的(ろんりてき)な感(かん)じがします。これは「する」動詞(どうし)(グループ3)です。
比較:「分かる」 vs 「理解する」
表(ひょう)で、並(なら)べて見(み)てみましょう。
| ポイント | 分かる (わかる) | 理解する (りかいする) |
|---|---|---|
| 意味(いみ) | “To know,” “to get it,” “to follow” | “To comprehend,” “to understand deeply” |
| 「分かり」のタイプ | 一般的(いっぱんてき)・表面的(ひょうめんてき)・感覚的(かんかくてき) | 深(ふか)い・論理的(ろんりてき)・仕組(しく)み |
| フォーマルさ | 普通(ふつう)(毎日(まいにち)使(つか)う) | フォーマル(書(か)き言葉(ことば)、ビジネス) |
| 大切(たいせつ)な助詞(じょし) | が (ga) または は (wa) | を (o) |
| 例文(かんたん) | 質問(しつもん)が分かる。 (I understand the question.) |
(あまり使(つか)わない) |
| 例文(ふくざつ) | (使(つか)うこともできる) | 彼(かれ)の気持(きも)ちを理解する。 (I comprehend his feelings.) |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 教室(きょうしつ)で
- すこし変 (A little strange):
- (先生(せんせい)が)「みなさん、理解しましたか?」(Minasan, rikai shimashita ka?)
- 正しい (Correct):
- (先生(せんせい)が)「みなさん、分かりましたか?」(Minasan, wakarimashita ka?)
- なぜ? (Why?):
- 「理解しましたか」は、フォーマルすぎ、強(つよ)すぎます。「(深(ふか)い論理(ろんり)を)完全(かんぜん)に分(わ)かりましたか?」と聞(き)こえます。先生(せんせい)は、ただ「ゲット(get)できましたか?」と聞(き)きたいので、「分かりましたか」が自然(しぜん)です。
間違い 2: 簡単(かんたん)な事実(じじつ)を知(し)っている時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 私(わたし)は、彼(かれ)の名前(なまえ)を理解しています。(Watashi wa, kare no namae o rikai shite imasu.)
- 正しい (Correct):
- 私(わたし)は、彼(かれ)の名前(なまえ)が分かります。(Watashi wa, kare no namae ga wakarimasu.)
- なぜ? (Why?):
- 名前(なまえ)を「深(ふか)く理解(りかい)」することはできません。ただ「知(し)っている」だけです。簡単(かんたん)な情報(じょうほう)には、「分かる」を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! ( ) に入(はい)る正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
A「すみません、駅(えき)はどこですか?」
B「あ、駅(えき)の場所(ばしょ)なら ( ) よ。」
A: “Excuse me, where is the station?”
B: “Oh, if it’s the station’s location, I ( ) it.”
- 分かります (wakarimasu)
- 理解します (rikai shimasu)
Q2.
彼(かれ)の行動(こうどう)は、私(わたし)には ( ) できません。
I cannot ( ) his actions. (His motives are too complex.)
- 分かり (wakari)
- 理解 (rikai)
Q3.
今日(きょう)の文法(ぶんぽう)は、よく ( )。
I ( ) today’s grammar well.
- 分かりました (wakarimashita)
- 理解しました (rikai shimashita)
(注:どちらもOKですが、学生(がくせい)が使(つか)うのに、より自然(しぜん)なのはどっち?)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) 分かります (wakarimasu) – 「場所(ばしょ)を*知(し)っている*」という簡単(かんたん)な情報(じょうほう)だからです。(分かる)
Q2. (b) 理解 (rikai) – 「彼(かれ)の行動(こうどう)の(深(ふか)い)理由(りゆう)が*分(わ)からない*」という意味(いみ)です。(理解する)
Q3. (a) 分かりました (wakarimashita) – 「授業(じゅぎょう)の内容(ないよう)を*ゲット(get)した*」という意味(いみ)で、学生(がくせい)が使(つか)うのに一番(いちばん)自然(しぜん)です。(分かる)
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
これは、N4〜N3レベルの、シンプル(simple)ですが大切(たいせつ)なニュアンスです。
- 分かる (wakaru): 「I know」「I get it」。毎日(まいにち)の生活(せいかつ)の90%で使(つか)います。助詞(じょし)は「が」です。
- 理解する (rikai suru): 「I comprehend(深(ふか)く分(わ)かる)」。難(むずか)しい、論理的(ろんりてき)なトピックで使(つか)います。フォーマルです。助詞(じょし)は「を」です。
もし迷(まよ)ったら、「分かる」を使(つか)ってください。だいたい安全(あんぜん)です!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「分かる」と「理解する」の、一番(いちばん)簡単(かんたん)な違(ちが)いは何(なん)ですか?
- A1: 簡単(かんたん)な違(ちが)いは、「深(ふか)さ」です。
- 「分かる」(わかる)は、「知(し)っている」「OK、分(わ)かった」という、毎日(まいにち)の一般的(いっぱんてき)な理解(りかい)です。(例:「彼の名前が分かる」「質問(しつもん)が分かる」)
- 「理解する」(りかいする)は、「(深(ふか)く)分(わ)かる」ということです。複雑(ふくざつ)な仕組(しく)みや、理由(りゆう)、人(ひと)の気持(きも)ちなどを、論理的(ろんりてき)に分(わ)かることです。(例:「理論(りろん)を理解する」「気持(きも)ちを理解する」)
- Q2: 先生(せんせい)が「Do you understand?」と聞(き)く時(とき)、何(なん)と言(い)いますか?
- A2: 先生(せんせい)は、ほとんどいつも「分かりますか?(Wakarimasu ka?)」と言(い)います。これは、「(情報(じょうほう)を)ゲット(get)できましたか?」という、普通(ふつう)の確認(かくにん)です。もし先生(せんせい)が「理解しましたか?(Rikai shimashita ka?)」と言(い)ったら、とてもフォーマルで、「(この難(むずか)しい内容(ないよう)を)完全(かんぜん)に分(わ)かりましたか?」という強(つよ)い意味(いみ)に聞(き)こえます。
- Q3: 毎日(まいにち)の会話(かいわ)で、よく使(つか)うのはどっちですか?
- A3: 「分かる(wakaru)」のほうが、圧倒的(あっとうてき)に多(おお)く使(つか)います。「I understand」や「I know」の90%は、「分かる」を使(つか)います。「理解する(rikai suru)」は、書(か)き言葉(ことば)や、ビジネス、難(むずか)しいトピック、感情(かんじょう)について話(はな)す時(とき)によく使(つか)われます。
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