用法解説①: 「入る」(はいる)の使い方(つかいかた)
まず、「入る」(はいる)を見(み)てみましょう。これは「自動詞」(じどうし)です。
「自動詞」は、主語(しゅご / “Subject”)が、自分(じぶん)でそのアクションをすることです。主語(しゅご)が、場所(ばしょ)に「入(はい)る」のです。
大切(たいせつ)な助詞(じょし)は、場所(ばしょ)を示(しめ)す 「に (ni)」 です。形(かたち)は、 【人・モノ】が 【場所】に 入る。 です。
- 例文 1:
- 猫(ねこ)が、部屋(へや)に 入る。(Neko ga, heya ni hairu.)
The cat enters the room.
- 例文 2:
- 喫茶店(きっさてん)に 入りました。(Kissa-ten ni hairimashita.)
I entered the coffee shop.
- 例文 3:
- 毎日(まいにち)、お風呂(ふろ)に 入る。(Mainichi, o-furo ni hairu.)
I take a bath every day. (I “enter” the bath.)
ポイント: 「入る(はいる)」は、主語(しゅご)(私、あなた、猫)が、自分(じぶん)で動(うご)いて、場所(ばしょ)の中(なか)に入(はい)る時(とき)に使(つか)います。場所(ばしょ)は「に」で示(しめ)します。
用法解説②: 「入れる」(いれる)の使い方(つかいかた)
次(つぎ)は、「入れる」(いれる)です。これは「他動詞」(たどうし)です。
「他動詞」は、人(ひと)が、モノ(目的語 / “Object”)に、何かアクションをする時(とき)に言(い)います。モノを、場所(ばしょ)の中(なか)に「入(はい)るようにさせる」ことです。
大切(たいせつ)な助詞(じょし)は、モノを示(しめ)す 「を (o)」 です。形(かたち)は、 【人】が 【モノ】を 【場所】に 入れる。 です。
- 例文 1:
- 私(わたし)は、砂糖(さとう)を コーヒーに 入れる。(Watashi wa, satō o kōhī ni ireru.)
I put sugar in the coffee.
- 例文 2:
- 荷物(にもつ)を かばんに 入れた。(Nimotsu o kaban ni ireta.)
I put the luggage in the bag.
- 例文 3:
- 猫(ねこ)を 部屋(へや)に 入れてください。(Neko o heya ni irete kudasai.)
Please let the cat in the room. (Please “put” the cat in the room.)
ポイント: 「入れる(いれる)」は、モノ(砂糖、荷物、猫)を持(も)って、それを場所(ばしょ)の中(なか)に置(お)く時(とき)に使(つか)います。モノは「を」で示(しめ)します。
比較:「入る」 vs 「入れる」
ひとつのテーブルで、違(ちが)いを見(み)てみましょう。
| ポイント | 入る (はいる) | 入れる (いれる) |
|---|---|---|
| 読(よ)み方(かた) | は・い・る (ha-i-ru) | い・れ・る (i-re-ru) |
| 動詞(どうし)タイプ | 自動詞(じどうし) | 他動詞(たどうし) |
| 意味(いみ) | “To enter,” “to go in,” “to join” | “To put in,” “to let in,” “to insert” |
| 誰(だれ)が動(うご)く? | 主語(しゅご)が、自分(じぶん)で動(うご)く。 | 主語(しゅご)が、目的語(もくてきご)を動(うご)かす。 |
| 大切(たいせつ)な助詞(じょし) | 【場所】 に | 【モノ】 を、 【場所】 に |
| 例文(れいぶん) | 猫(ねこ)が部屋(へや)に 入る。 (The cat enters the room.) |
私(わたし)が猫(ねこ)を部屋(へや)に 入れる。 (I put the cat in the room.) |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 「砂糖(さとう)を入(い)れてください」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 砂糖(さとう)が、コーヒーに**入ってください**。(Satō ga, kōhī ni haitte kudasai.)
- 正しい (Correct):
- 砂糖(さとう)を、コーヒーに**入れてください**。(Satō o, kōhī ni irete kudasai.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、砂糖(さとう)に「砂糖さん、コーヒーに入(はい)ってください」と、お願(ねが)いしています。これは、おかしいですね。人(ひと)に、砂糖(さとう)(モノ)を「入れる」アクションをしてほしいので、他動詞(たどうし)の「入れる(いれる)」を使(つか)います。
間違い 2: 「部屋(へや)に入(はい)りました」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 私(わたし)は、部屋(へや)を 入れました。(Watashi wa, heya o iremashita.)
- 正しい (Correct):
- 私(わたし)は、部屋(へや)に 入りました。(Watashi wa, heya ni hairimashita.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、「私(わたし)が、部屋(へや)を(どこかに)入(い)れた」という意味(いみ)になり、できません。*あなた*(主語)が、中(なか)に入(はい)るので、自動詞(じどうし)の「入る(はいる)」と、場所(ばしょ)の「に」を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! _______ に入(はい)る正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
(ドアの外(そと)にいる人(ひと)に)「寒(さむ)いですから、どうぞ _______ ください。」
(To a person outside) “It’s cold, so please _______ .”
- 入って (haitte)
- 入れて (irete)
Q2.
彼(かれ)は、かばんに 本 _______ 。
He ( ) a book into his bag.
- が 入った (ga haitta)
- を 入れた (o ireta)
Q3.
財布(さいふ)に、お金(かね)が _______ いません。
There is no money _______ my wallet.
- 入って (haitte)
- 入れて (irete)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) 入って (haitte) – 「(あなたが)入(はい)ってください」と、その人(ひと)(主語)にアクションをお願(ねが)いしています。(自動詞)
Q2. (b) を 入れた (o ireta) – 「彼(かれ)が、本(ほん)(モノ)を入(い)れた」からです。(他動詞)
Q3. (a) 入って (haitte) – 「お金(かね)が入(はい)っている」という「状態(じょうたい)」を説明(せつめい)しています。自動詞(じどうし)の「〜ている」形(けい)です。
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
クイズはどうでしたか? 最後(さいご)に、もう一度(いちど)復習(ふくしゅう)しましょう。
- 入る (はいる) (自動詞 – じどうし):
モノや人(ひと)が、自分(じぶん)で入(はい)ります。助詞(じょし): に (ni)→ 例: 私(わたし)が部屋(へや)に 入る。 - 入れる (いれる) (他動詞 – たどうし):
人(ひと)が、モノを中(なか)に入(い)れます。助詞(じょし): を (o)→ 例: 私(わたし)が砂糖(さとう)を 入れる。
このシンプル(simple)な違(ちが)いを覚(おぼ)えると、あなたの日本語(にほんご)は、もっと自然(しぜん)になりますよ!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「入る」と「入れる」の、一番(いちばん)簡単(かんたん)な違(ちが)いは何(なん)ですか?
- A1: 一番(いちばん)の違(ちが)いは、アクションです。
- 「入る」(はいる)は自動詞(じどうし)です。「モノ・人」が自分(じぶん)で中(なか)に入(はい)ります。(例:私が 部屋に 入る。)
- 「入れる」(いれる)は他動詞(たどうし)です。人(ひと)が、モノを中(なか)に入(い)れます。(例:私が 砂糖を コーヒーに 入れる。)
- Q2: 「出る(でる)」のペアもありますか?
- A2: はい! このペアもとても大切(たいせつ)です。
- 「出る(でる)」:自動詞(じどうし)です。例:私(わたし)が部屋を出る。(I go out of the room.)※特別(とくべつ)に「を」を使(つか)います。
- 「出す(だす)」:他動詞(たどうし)です。例:私(わたし)がゴミを出す。(I take out the trash.)
- Q3: 「お金(かね)が入(はい)る」はどういう意味(いみ)ですか?
- A3: 自動詞(じどうし)の「入る」を使(つか)います。これは「(給料(きゅうりょう)などで)お金(かね)が自分(じぶん)のところに来(く)る」という意味(いみ)です。「お金(かね)を入(い)れる」と言(い)うと、他動詞(たどうし)で、「(私(わたし)が)銀行(ぎんこう)や財布(さいふ)に、お金(かね)を置(お)く」という意味(いみ)になります。
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