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- 聞く (きく): **Hear**(自然に耳に入る)**AND Ask**(一般的な質問)の二つの意味があります。これが一番よく使われます。
- 聴く (きく): **Listen actively**(集中して聞く)という意味です。
- 訊く (きく): **To inquire**(問い詰める・尋問する)という意味です。日常会話ではあまり使いません(ほとんど「聞く」を使います)。
一番大切な違いは、あなたの「集中レベル」と**「アクションの種類」**(聞くこと vs 質問すること)です。
この簡単なガイドで、3種類のきくの違いを勉強しましょう。正しい意味と使い方を学び、例文と練習問題を通して、正確な日本語をマスターしましょう!
用法解説①: 聞く (kiku) – To Hear / To Ask (一般的)
聞く (kiku)は、3つの中で一番よく使われ、多くの意味を持つ動詞です。主な使い方は2つあります。
A. To Hear(自然に耳に入る)
これは、努力(どりょく)や集中なしに、音や声が**自然に耳に入ってくる**ことです。「聴く」の反対です。
例文 (Example Sentences):
- 電車(でんしゃ)の中(なか)で、変(へん)な音(おと)を 聞(き)きました。I **heard** a strange noise on the train. (音が自然に入ってきた)
- 昨日(きのう)、部長(ぶちょう)の奥(おく)さんが病気(びょうき)だと 聞(き)きました。I **heard** (received the information) that the section chief’s wife was sick yesterday.
B. To Ask(一般的な質問をする)
誰かに質問したり、情報を尋ねたりする、一般的な動詞です。何かを尋ねたいときは、ほとんどの場合、**聞く**を使います。
例文 (Example Sentences):
- 先生(せんせい)に 宿題(しゅくだい)について 聞(き)きました。I **asked** the teacher about the homework.
- 道(みち)が分(わ)からなかったので、警察(けいさつ)に 聞(き)きました。Because I didn’t know the way, I **asked** a police officer.
用法解説②: 聴く (kiku) – To Listen (集中する)
聴く (きく)は、音、音楽、スピーチなどに、**あなたの注意と心(attention and heart)を集中する**ときに使います。理解しよう、楽しもうとして、熱心(ねっしん)に聞くという意味です。
使い方: 次のような、集中が必要な場合はいつも**聴く**を使ってください。
- **音楽・コンサート:** 音楽(おんがく)を 聴(き)く
- **講義・スピーチ:** 講演(こうえん)を 聴(き)く
- **意見・アドバイス:** 意見(いけん)を 聴(き)く (意見を尊重(そんちょう)して、よく聞く)
例文 (Example Sentences):
- 毎日(まいにち)、電車(でんしゃ)でクラシック音楽(おんがく)を 聴(き)きます。I **listen (actively)** to classical music on the train every day.
- お客様(きゃくさま)の声(こえ)をよく 聴(き)くことが大切(たいせつ)です。It is important to **listen closely** to the voice of our customers.
用法解説③: 訊く (kiku) – To Inquire (特定の質問)
訊く (きく)も「質問する」という意味ですが、**とても専門的な**言葉です。
- **使い方:** 厳しい状況で、正確な答えを求めるときや、誰かを問い詰めるとき(尋問)に使われます。日常会話(N5〜N3レベル)では**めったに使いません**。
- **日常会話では、** いつも「質問する」という意味で**聞く**を使います。
例文 (小説やニュースでよく見ます):
- 記者(きしゃ)は 彼(かれ)に 事件(じけん)の詳細(しょうさい)を 訊(き)きました。The reporter **inquired about (or questioned him about)** the details of the incident.
比較:「聞く」 vs 「聴く」 vs 「訊く」
一番大切な違いは、**集中レベル**と**アクションの種類**です。
| 漢字 | 英語の意味 | 使い方とニュアンス | ポイント |
|---|---|---|---|
| 聞く | **To Hear / To Ask** | 標準的(ひょうじゅんてき)・基本。音が耳に入る、または一般的な質問をするとき。 | **受動的** (聞く) / **一般的** (質問) |
| 聴く | **To Listen** | **能動的(のうどうてき)**。音楽、講演、意見などに集中して(心と耳を傾けて)聞くとき。 | **意図的** (集中して聞く) |
| 訊く | **To Inquire** | **特殊・まれ**。正確な情報を求める質問をするとき。(日常では聞くを使う) | **特定** (問い詰める) |
よくある間違い (Common Mistakes)
間違い①: 質問するときに「聴く」を使う
- まちがい ✕: 先生(せんせい)に 質問(しつもん)を 聴(き)きました。(「私は、先生への質問を熱心に聞きました」という意味になり、間違いです。)
- ただしい ○: 先生(せんせい)に 質問(しつもん)を 聞(き)きました。(「私は、先生に質問しました」という意味で正しいです。)
間違い②: 音楽鑑賞に「聞く」を使う
カジュアルな文脈では「聞く」でも大丈夫ですが、楽しんでいる気持ちを表現するときは「聴く」がより正確です。
- あまり自然ではない: △ 毎日(まいにち) 音楽(おんがく)を 聞(き)きます。
- より自然(意図的): ○ 毎日(まいにち) 音楽(おんがく)を 聴(き)きます。(音楽を楽しもうとして、意図的に聴いている。)
練習問題 (Practice Questions)
正しい漢字を選んでください: **聞く** または **聴く**。
- 彼女(かのじょ)は 毎晩(まいばん)アニメソングを ( ______ ) のが趣味(しゅみ)です。
- 隣(となり)の部屋(へや)から、子(こ)どもの泣(な)き声(ごえ)が ( ______ ) ました。
- 分(わ)からない言葉(ことば)は、すぐに辞書(じしょ)で ( ______ ) ようにしています。
- 社長(しゃちょう)の重要(じゅうよう)なスピーチを ( ______ ) ために、会場(かいじょう)に行(い)きました。
- 答え (Answers)
- A1: 聴(き)く
(趣味(しゅみ)として音楽を**集中して聞く**ので「聴く」です。) - A2: 聞(き)こえ (または 聞き)*
(音が**自然に耳に入った**ので「聞く」です。 *質問文は可能形「聞こえる」を使っています。) - A3: 聞(き)く
(言葉の意味を**質問する・調べる**のは一般的な「聞く」です。) - A4: 聴(き)く
(重要なスピーチは**集中して聞く**必要があるので「聴く」です。)
まとめ (Conclusion)
3つのきくの使い分けは、これで完璧です!大切なポイントを覚えましょう。
聞く (kiku): **基本・受動的。** (**Hear** または **Ask**。)聴く (kiku): **能動的・意図的。** (音楽、スピーチ、意見などに**集中して聞く**。)訊く (kiku): **まれ・形式的。** (**問い詰める・尋問する**。)
迷ったら「聞く」を使い、集中するときは「聴く」を使いましょう。練習を続ければ、あなたの日本語はもっと正確になります!
FAQ (よくある質問)
- Q1: 音楽の話で「聞く」を使うのは、本当に間違いですか?
- A: いいえ、特にカジュアルな会話では厳密(げんみつ)には間違いではありません。しかし、音楽を楽しむ気持ちや感動を表現するときは**「聴く」**の方がより自然で、好まれます。BGM(バックグラウンドミュージック)のようにただ音が流れているだけなら「聞く」で大丈夫です。
- Q2: 「訊く」はあまり使わない漢字なら、使わなくてもいいですか?
- A: JLPT N5〜N3レベルや日常会話では、**「訊く」**は使わなくて大丈夫です。質問するときはいつも**「聞く」**を使ってください。「訊く」は「質問・尋問(じんもん)をする」という意味だと、読解(どっかい)のために知っておけば十分です。
- Q3: 「聞く」には他の意味もありますか?
- A: はい、あります。においを「かぐ」という意味もあります(例:線香(せんこう)のにおいを **聞(き)く**)。これは古くからあるていねいな言い方ですが、決まった言い方(セットフレーズ)で出てくることがあります。
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