- 私(わたし)は、部屋(へや)を 出る。(Watashi wa, heya o deru.) – I leave the room.
- 私(わたし)は、ゴミを 出す。(Watashi wa, gomi o dasu.) – I take out the trash.
どちらも助詞(じょし)の「を (o)」を使(つか)っています! これは、N5〜N3の学習者(がくしゅうしゃ)にとって、一番(いちばん)混乱(こんらん)するポイントです。どうして「出る(でる)」(自動詞)なのに、「を (o)」を使(つか)うのでしょうか?
この記事(きじ)では、「出る」(”to go out”)と「出す」(”to take out”)の大切(たいせつ)な違(ちが)いと、この特別(とくべつ)な助詞(じょし)のルールを説明(せつめい)します。
用法解説①: 「出す」(だす)の使い方(つかいかた)
まず、簡単(かんたん)な方(ほう)から見(み)ましょう。「出す」(だす)です。これは「他動詞」(たどうし)です。
「他動詞」は、主語(しゅご / 人)が、目的語(もくてきご / モノ)にアクションをすることです。何(なに)かを「外(そと)へ行(い)かせる」ことです。目的語(もくてきご)は、助詞(じょし)の「を (o)」で示(しめ)します。
形(かたち)は、【人】が 【モノ】を 出す。 です。
- 例文 1: (To take out)
- 私(わたし)は、ゴミを 出す。(Watashi wa, gomi o dasu.)
I take out the trash.
- 例文 2: (To send)
- 手紙(てがみ)を 出しました。(Tegami o dashimashita.)
I sent the letter. (I “put it out” into the mail.)
- 例文 3: (To turn in)
- 明日(あした)、宿題(しゅくだい)を 出してください。(Ashita, shukudai o dashite kudasai.)
Please turn in your homework tomorrow.
ポイント: 「出す(だす)」は、あなた(主語)が、モノ(ゴミ、手紙、宿題)を「外(そと)へ動(うご)かす」時(とき)に使(つか)います。これは普通(ふつう)の他動詞(たどうし)です。
用法解説②: 「出る」(でる)の使い方(つかいかた)
次(つぎ)は、むずかしい方(ほう)、「出る」(でる)です。これは「自動詞」(じどうし)です。
「自動詞」は、主語(しゅご)が「自分(じぶん)で」動(うご)くことです。この動詞(どうし)には、2(ふた)つの大切(たいせつ)なパターンがあります。
パターン 1: 「(場所を)出る」(”To leave”) → 「を」を使(つか)う
これが特別(とくべつ)なルールです。「出る」が「場所(ばしょ)から離(はな)れる」という意味(いみ)の時(とき)、助詞(じょし)の「を (o)」を使(つか)います。この「を」は、出発点(しゅっぱつてん)(”point of departure”)、「〜から」という意味(いみ)です。
形(かたち)は、【人】が 【場所】を 出る。 です。
- 例文 1:
- 私(わたし)は、部屋(へや)を 出る。(Watashi wa, heya o deru.)
I leave the room.
- 例文 2:
- 毎朝(まいあさ)、8時(じ)に家(いえ)を 出ます。(Maiasa, 8-ji ni ie o demasu.)
I leave the house at 8:00 every morning.
パターン 2: 「(〜が)出る」(”To appear”) → 「が」を使(つか)う
「出る」が、「何(なに)かが(自分(じぶん)で)現(あらわ)れる」という意味(いみ)の時(とき)は、普通(ふつう)の自動詞(じどうし)のルールで、助詞(じょし)の「が (ga)」を使(つか)います。
形(かたち)は、【モノ】が 出る。 です。
- 例文 1:
- 月(つき)が 出た。(Tsuki ga deta.)
The moon came out.
- 例文 2:
- 熱(ねつ)が 出ました。(Netsu ga demashita.)
I got a fever. (A fever “came out”.)
- 例文 3:
- このボタンを押(お)すと、水(みず)が 出ます。(Kono botan o osu to, mizu ga demasu.)
If you press this button, water will come out.
比較:「出る」 vs 「出す」
大切(たいせつ)なパターンを、表(ひょう)で見(み)てみましょう。
| ポイント | 出る (でる) | 出す (だす) |
|---|---|---|
| 動詞(どうし)タイプ | 自動詞(じどうし) (主語(しゅご)が、自分(じぶん)で動(うご)く) |
他動詞(たどうし) (主語(しゅご)が、モノを動(うご)かす) |
| 意味(いみ) 1 | 「場所(ばしょ)から、出る」 | 「モノを、外(そと)に出(だ)す」 |
| 助詞(じょし) 1 | 【場所】 を (特別(とくべつ)なルール!) | 【モノ】 を (普通(ふつう)のルール) |
| 例文(れいぶん) 1 | 家(いえ)を 出る。 (I leave the house.) |
ゴミを 出す。 (I take out the trash.) |
| 意味(いみ) 2 | 「(〜が)現(あらわ)れる」 | 「(手紙(てがみ)などを)送(おく)る」 |
| 助詞(じょし) 2 | 【モノ】 が (普通(ふつう)のルール) | 【モノ】 を (普通(ふつう)のルール) |
| 例文(れいぶん) 2 | 月(つき)が 出る。 (The moon comes out.) |
手紙(てがみ)を 出す。 (I send a letter.) |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 「ゴミを出(だ)します」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- ゴミが 出ます。(Gomi ga demasu.)
- 正しい (Correct):
- ゴミを 出します。(Gomi o dashimasu.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、「(穴(あな)から)ゴミが現(あらわ)れる」という意味(いみ)です。あなた(人)が、ゴミ(モノ)にアクションをするので、他動詞(たどうし)の「出す(だす)」を使(つか)います。
間違い 2: 「部屋(へや)を出(で)ます」と言(い)いたい時(とき)
- Wrong:
- 部屋(へや)が 出ます。(Heya ga demasu.)
- Correct:
- 部屋(へや)を 出ます。(Heya o demasu.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、「部屋(へや)が現(あらわ)れる」という意味(いみ)になり、変(へん)です。あなた(主語)が、部屋(へや)(場所)から離(はな)れるので、自動詞(じどうし)の「出る(でる)」と、特別(とくべつ)な「〜から」の意味(いみ)の「を」を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! ( ) に入(はい)る正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
毎朝(まいあさ)、8時(じ)に家(いえ) ( )。
Every morning, I ( ) the house at 8:00.
- を 出ます (o demasu)
- を 出します (o dashimasu)
Q2.
このボタンを押(お)すと、水(みず) ( )。
If you press this button, water ( ).
- を 出します (o dashimasu)
- が 出ます (ga demasu)
Q3.
先生(せんせい)に、レポート ( )。
I ( ) the report to the teacher.
- が 出ました (ga demashita)
- を 出しました (o dashimashita)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) を 出ます (o demasu) – 「(私(わたし)が)家(いえ)を出(で)る」からです。主語(しゅご)が場所(ばしょ)から離(はな)れるので、「出る」+特別(とくべつ)な「を」を使(つか)います。
Q2. (b) が 出ます (ga demasu) – 「水(みず)が現(あらわ)れる」からです。水(みず)(主語)が自分(じぶん)で出(で)るので、「出る」+「が」を使(つか)います。
Q3. (b) を 出しました (o dashimashita) – 「(私(わたし)が)レポートを(先生(せんせい)に)出(だ)した」からです。主語(しゅご)がモノにアクションをするので、「出す」+「を」を使(つか)います。
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
このペアはむずかしいですが、2(ふた)つのポイントを覚(おぼ)えれば大丈夫(だいじょうぶ)です。
- 「出す」(だす)は、簡単(かんたん)な他動詞(たどうし)です。人(ひと)がモノを外(そと)に出(だ)します。
→ 例: ゴミを 出す。(I take out the trash.)
- 「出る」(でる)は、自動詞(じどうし)です。主語(しゅご)が自分(じぶん)で動(うご)きます。助詞(じょし)のルールが2(ふた)つあります。
- 「を」を使(つか)う時(とき): 「場所(ばしょ)**から**離(はな)れる」
→ 例: 部屋(へや)を 出る。(I leave the room.)
- 「が」を使(つか)う時(とき): 「モノ**が**現(あらわ)れる」
→ 例: 月(つき)が 出る。(The moon comes out.)
- 「を」を使(つか)う時(とき): 「場所(ばしょ)**から**離(はな)れる」
「出る」の2(ふた)つの使(つか)い方(かた)を理解(りかい)することが、成功(せいこう)のカギです!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「出る(でる)」は自動詞(じどうし)なのに、どうして「を」を使(つか)うのですか?
- A1: はい、いい質問(しつもん)です!「出る」は自動詞(じどうし)ですが、これは特別(とくべつ)なルールです。「(場所)を 出る」の「を」は、目的語(object)の「を」ではありません。「出発点(しゅっぱつてん)」や「通(とお)る場所(ばしょ)」をあらわす「〜から」のような意味(いみ)の「を」です。(例:部屋を出る = 部屋から出る)
- Q2: 「部屋を出る」と「部屋から出る」の違(ちが)いは何(なん)ですか?
- A2: ほとんど同(おな)じ意味(いみ)で、どちらも正(ただ)しいです。「部屋を出る」は、「部屋(へや)を出(で)る」という、よく使(つか)うセットフレーズです。「部屋から出る」は、「〜から(from)」を使(つか)うので、「部屋(へや)がスタート地点(ちてん)」ということが、よく分(わ)かります。「家(いえ)を出(で)る」は「を」を使(つか)うのが一番(いちばん)自然(しぜん)です。
- Q3: 「出る」と「出す」の反対(はんたい)の言葉(ことば)は何(なん)ですか?
- A3: ちょうど、この前(まえ)に勉強(べんきょう)したペアです!
- 「出る」(でる)(自動詞:外(そと)へ行(い)く)の反対(はんたい)は、「入る」(はいる)(自動詞:中(なか)へ行(い)く)です。
- 「出す」(だす)(他動詞:外(そと)へ持(も)っていく)の反対(はんたい)は、「入れる」(いれる)(他動詞:中(なか)へ持(も)っていく)です。
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