みなさんは、”see” や “look” を日本語で言(い)えますか?「見る(みる)」を知(し)っているかもしれません。でも、「観る(みる)」はどうですか?
この4つ(よっつ)の動詞(どうし)は、全部(ぜんぶ)「みる」ことに関係(かんけい)がありますが、使(つか)い方(かた)が違(ちが)います。多(おお)くの日本語学習者(にほんごがくしゅうしゃ)が、むずかしいと感(かん)じています。
この記事(きじ)では、その違(ちが)いをやさしく説明(せつめい)します。簡単(かんたん)な例文(れいぶん)とクイズで、正(ただ)しい使い方(つかいかた)を勉強(べんきょう)しましょう!
用法解説①: 2つの「みる」 〜 「見る」と「観る」
まず、読(よ)み方(かた)が同(おな)じ「みる」という2つの動詞(どうし)を見(み)てみましょう。
1. 見る (miru): “Look” “See” の 基本(きほん)
これは、一番(いちばん)よく使(つか)う「みる」です。”to look”, “to see”, “to watch” の意味(いみ)があります。毎日(まいにち)の生活(せいかつ)で、目(め)で何(なに)かを「みる」ときに使(つか)います。
- 例文 1:
- テレビを見る。(Terebi o miru.)
I watch TV.
- 例文 2:
- 猫(ねこ)を見た。(Neko o mita.)
I saw a cat.
- 例文 3:
- 先生(せんせい)の顔(かお)を見てください。(Sensei no kao o mite kudasai.)
Please look at the teacher’s face.
2. 観る (miru): 楽(た)しむための “Watch”
この「みる」は、違(ちが)う漢字(かんじ)「観」を使(つか)います。これも “to watch” の意味(いみ)ですが、特別(とくべつ)な気持(きも)ちがあります。
観る (miru) は、映画(えいが)やスポーツ、アートなど、楽(た)しむために「みる」ときに使(つか)います。注意(ちゅうい)して、ショーなどを楽(た)しむイメージです。
- 例文 1:
- 映画(えいが)を観る。(Eiga o miru.)
I watch a movie (for entertainment).
- 例文 2:
- サッカーの試合(しあい)を観た。(Sakkā no shiai o mita.)
I watched a soccer game.
- 例文 3:
- ミュージカルを観るのが好(す)きです。(Myūjikaru o miru no ga suki desu.)
I like watching musicals.
ポイント: テレビなど、毎日(まいにち)のことは「見る」が普通(ふつう)です。映画(えいが)やスポーツ、お芝居(しばい)などは、楽(た)しむ気持(きも)ちで「観る」を使(つか)うことが多(おお)いです。でも、映画(えいが)に「見る」を使(つか)っても、間違(まちが)いではありません。「観る」は、もっと「楽(た)しむ」気持(きも)ちが強(つよ)い言葉(ことば)です。
用法解説②: 「見ることができる」 〜 「見える」と「見られる」
次(つぎ)に、「見(み)ることができる」という意味(いみ)の2つの動詞(どうし)を説明(せつめい)します。これは、とても大切(たいせつ)です!
1. 見える (mieru): “Can See” (自然(しぜん)に目(め)に入(はい)る)
見える (mieru) は、何(なに)かが “is visible”(目(め)に入(はい)る)という意味(いみ)です。あなたが「見(み)よう!」と思(おも)わなくても、自然(しぜん)に目(め)に入(はい)ってきます。
- 例文 1:
- ここから山(やま)が見える。(Koko kara yama ga mieru.)
I can see the mountain from here. (The mountain is visible from here.)
- 例文 2:
- 字(じ)が小(ちい)さくて、よく見えない。(Ji ga chiisakute, yoku mienai.)
The letters are small, so I can’t see (read) them well. (They are not clearly visible.)
- 例文 3:
- あ、あそこに猫(ねこ)が見える!(A, asoko ni neko ga mieru!)
Oh, I can see a cat over there! (A cat is visible.)
2. 見られる (mirareru): “Can See” (能力(のうりょく)・チャンス)
見られる (mirareru) は、「見る(miru)」の可能形(かのうけい / “potential form”)です。”are able to see” や “have the chance to see”(見(み)ることができる・チャンスがある)という意味(いみ)です。能力(のうりょく)や、許可(きょか)、時間(じかん)があって「見(み)ることができる」ときに使(つか)います。
- 例文 1:
- この映画(えいが)は、明日(あした)まで見られる。(Kono eiga wa, ashita made mirareru.)
You can watch this movie until tomorrow. (You have the opportunity.)
- 例文 2:
- 忙(いそが)しくて、テレビが見られない。(Isogashikute, terebi ga mirarenai.)
I am busy, so I can’t watch TV. (I don’t have the time/ability.)
- 例文 3:
- 子どもは、この映画(えいが)を見られません。(Kodomo wa, kono eiga o miraremasen.)
Children cannot watch this movie. (They don’t have permission.)
一番(いちばん)大切(たいせつ)な違(ちが)い:
- 見える (mieru): それは、目(め)に入(はい)りますか? (Is it visible?) (Yes/No)
- 見られる (mirareru): あなたは、見(み)る能力(のうりょく)や時間(じかん)、チャンスがありますか? (Do you have the ability/opportunity?) (Yes/No)
比較:「見る」「観る」「見える」「見られる」
| 言葉(ことば) | 漢字(かんじ) | 読(よ)み方(かた) | 意味(いみ) | キーアイデア |
|---|---|---|---|---|
| 見る | 見 | miru | To see, look, watch | 一般的(いっぱんてき)な「みる」動作(どうさ)。 |
| 観る | 観 | miru | To watch (for enjoyment) | 楽(た)しむために見(み)ること。(映画、スポーツなど) |
| 見える | 見 | mieru | To be visible, can be seen | 自然(しぜん)に目(め)に入(はい)ること。(能力(のうりょく)ではない) |
| 見られる | 見 | mirareru | To be able to see, can watch | 見(み)る能力(のうりょく)や時間(じかん)、許可(きょか)があること。 |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 映画(えいが)を見(み)たいとき
- 間違い (Wrong):
- この映画を見えますか。(Kono eiga o miemasu ka?)
- 正しい (Correct):
- この映画を見られますか。(Kono eiga o miraremasu ka?)
- なぜ? (Why?):
- ポスターが「目(め)に入(はい)るか」ではなく、映画(えいが)を「見(み)るチャンスがあるか」を聞(き)いているからです。
間違い 2: 景色(けしき)が見(み)えないとき
- 間違い (Wrong):
- 景色(けしき)が見られません。(Keshiki ga miraremasen.)
- 正しい (Correct):
- 景色(けしき)が見えません。(Keshiki ga miemasen.)
- なぜ? (Why?):
- 霧(きり)などのせいで、景色(けしき)が「目(め)に入(はい)らない」からです。「見(み)る能力(のうりょく)」や「許可(きょか)」がない、という意味(いみ)ではありません。
間違い 3: 趣味(しゅみ)について話(はな)すとき
- すこし変 (A little strange):
- 映画を見るのが好きです。(Eiga o miru no ga suki desu.)
- より自然 (More natural):
- 映画を観るのが好きです。(Eiga o miru no ga suki desu.)
- なぜ? (Why?):
- 「観る (miru)」を使(つか)うと、「楽(た)しむため」という気持(きも)ちがよく分(わ)かります。「見る (miru)」も間違(まちが)いではありませんが、「観る (miru)」のほうが、趣味(しゅみ)を話(はな)すときに自然(しぜん)です。
練習問題(クイズ)
クイズをしましょう!( ) に入(はい)る、正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
昨日(きのう)、友(とも)だちと一緒(いっしょ)に歌舞伎(かぶき)を ( )。
Yesterday, I ( ) Kabuki with my friend.
- 見た (mita)
- 観た (mita)
- 見えた (mieta)
Q2.
私の部屋(へや)から、海(うみ)が ( )。
From my room, the sea ( ).
- 見える (mieru)
- 見られる (mirareru)
- 観る (miru)
Q3.
宿題(しゅくだい)がたくさんあるから、今夜(こんや)はアニメを ( )。
I have a lot of homework, so tonight I ( ) anime.
- 見えない (mienai)
- 見られない (mirarenai)
- 観ない (minai)
クイズの答(こた)え
Q1. (b) 観た (mita) – 歌舞伎(かぶき)は、楽(た)しむためのパフォーマンスだからです。
Q2. (a) 見える (mieru) – 部屋(へや)から海(うみ)が「目(め)に入(はい)る」からです。
Q3. (b) 見られない (mirarenai) – 宿題(しゅくだい)があって、アニメを「見(み)る時間(じかん)やチャンスがない」からです。
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
クイズはどうでしたか?
今日(きょう)は、4つの「みる」ことに関係(かんけい)する言葉(ことば)の違(ちが)いを勉強(べんきょう)しました。
- 見る (miru): 一般的(いっぱんてき)な「みる」。
- 観る (miru): 楽(た)しむために「みる」(映画(えいが)、スポーツなど)。
- 見える (mieru): 目(め)に入(はい)る (is visible)。
- 見られる (mirareru): 見(み)ることができる(ability / opportunity)。
特(とく)に、「見える」(visible)と「見られる」(ability)の違(ちが)いは、とても大切(たいせつ)です。たくさん練習(れんしゅう)して、自然(しぜん)な日本語(にほんご)を目指(めざ)しましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「観る」の代(か)わりに、いつも「見る」を使(つか)ってもいいですか?
- A1: ほとんどの場合(ばあい)、大丈夫(だいじょうぶ)です。例(たと)えば、「映画を見る」はとても普通(ふつう)で、正(ただ)しいです。「観る」を使(つか)うと、「楽(た)しんで見(み)る」という特別(とくべつ)な気持(きも)ちが強(つよ)くなります。でも、「観る」は映画(えいが)やスポーツなどにしか使(つか)えません。「猫を観た」は間違(まちが)いです。
- Q2: 「見える(mieru)」と「聞こえる(kikoeru)」の違(ちが)いは何(なん)ですか?
- A2: いい質問(しつもん)です。この2つ(ふたつ)はペアです。「見える」は “is visible”(目(め)に入(はい)る)。「聞こえる」は “is audible”(耳(みみ)に入(はい)る)です。どちらも、自然(しぜん)に感(かん)じることです。
- 山(やま)が見える。(Yama ga mieru.) – The mountain is visible.
- 音(おと)が聞こえる。(Oto ga kikoeru.) – The sound is audible (I can hear a sound).
- Q3: 「見られる(mirareru)」は、受身形(うけみけい)でもありますか?
- A3: はい、その通(とお)りです!「見られる」は、受身形(うけみけい / passive form)、(誰(だれ)かに)〜される、という意味(いみ)もあります。
- (受身形): 友達(ともだち)に日記(にっき)を見られた。(Tomodachi ni nikki o mirareta.) – My diary was seen by my friend.
今日(きょう)は、可能形(かのうけい / “can see”)の意味(いみ)を勉強(べんきょう)しました。文(ぶん)の状況(じょうきょう)で、どちらの意味(いみ)か分(わ)かります。
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