みなさんは、「乗る」(のる)と「乗せる」(のせる)の違(ちが)いが分(わ)かりますか? どちらも車(くるま)や電車(でんしゃ)に関係(かんけい)がありますが、意味(いみ)はぜんぜん違(ちが)います。N5やN4の学習者(がくしゅうしゃ)がよく間違(まちが)えるポイントです。
- 「乗る」は、あなた(主語)がすることです。
- 「乗せる」は、あなたが他(ほか)の人(ひと)や物(もの)にすることです。
この記事(きじ)では、この大切(たいせつ)な「自動詞(じどうし)」と「他動詞(たどうし)」のペアについて、やさしく説明(せつめい)します。簡単(かんたん)な例文(れいぶん)とクイズで、正(ただ)しい使(つか)い方(かた)をマスターしましょう!
用法解説①: 「乗る」(のる)の使い方(つかいかた)
まず、「乗る」(のる)を見(み)てみましょう。これは「自動詞」(じどうし)です。
「自動詞」は、主語(しゅご / “Subject”)が、自分(じぶん)でそのアクションをすることです。「を」を使(つか)う目的語(もくてきご / “Object”)がいりません。
文(ぶん)の形(かたち)は、【人】は/が 【乗(の)り物(もの)】に 乗る。 です。
- 例文 1:
- 私(わたし)は、電車(でんしゃ)に 乗る。(Watashi wa, densha ni noru.)
I ride the train.
- 例文 2:
- 友達(ともだち)が、バスに 乗った。(Tomodachi ga, basu ni notta.)
My friend got on the bus.
- 例文 3:
- 自転車(じてんしゃ)に 乗りませんか?(Jitensha ni norimasen ka?)
Would you like to ride a bicycle?
ポイント: 「乗る」(のる)は、主語(わたし、友達、あなた)が、「乗(の)る」というアクションをします。乗(の)り物(もの)は、場所(ばしょ)やゴールなので、助詞(じょし)の「に」を使(つか)います。
用法解説②: 「乗せる」(のせる)の使い方(つかいかた)
次(つぎ)は、「乗せる」(のせる)です。これは「他動詞」(たどうし)です。
「他動詞」は、主語(しゅご)が、他(ほか)の人(ひと)や物(もの)(目的語 / “Object”)にアクションをすることです。この目的語(もくてきご)は、助詞(じょし)の「を」で示(しめ)します。
文(ぶん)の形(かたち)は、【人A】は/が 【人B / 物】を 【乗(の)り物(もの)】に 乗せる。 です。
- 例文 1:
- 私(わたし)は、友達(ともだち)を 車(くるま)に 乗せる。(Watashi wa, tomodachi o kuruma ni noseru.)
I give my friend a ride in the car. (I put my friend in the car.)
- 例文 2:
- 荷物(にもつ)を トランクに 乗せてください。(Nimotsu o toranku ni nosete kudasai.)
Please put the luggage in the trunk.
- 例文 3:
- お母(かあ)さんは、子供(こども)を 自転車(じてんしゃ)に 乗せた。(Okaasan wa, kodomo o jitensha ni noseta.)
The mother put her child on the bicycle.
ポイント: 「乗せる」(のせる)は、主語(わたし、あなた、お母さん)が、他(ほか)の誰(だれ)か(友達、荷物、子供)を、乗(の)り物(もの)に入(い)れる・上(うえ)に置(お)くことです。動(うご)かされる人(ひと)や物(もの)は、目的語(もくてきご)なので、「を」を使(つか)います。
比較:「乗る」 vs 「乗せる」
この2(ふた)つは、代表的(だいひょうてき)な「自動詞(じどうし)」と「他動詞(たどうし)」のペアです。表(ひょう)で見(み)てみましょう。
| ポイント | 乗る (のる) | 乗せる (のせる) |
|---|---|---|
| 読(よ)み方(かた) | のる (no-ru) | のせる (no-se-ru) |
| 動詞(どうし)タイプ | 自動詞(じどうし) | 他動詞(たどうし) |
| 意味(いみ) | “To get on,” “to ride” | “To put on,” “to give a ride,” “to load” |
| 誰(だれ)が動(うご)く? | 主語(しゅご)が、自分(じぶん)で動(うご)く。 | 主語(しゅご)が、目的語(もくてきご)を動(うご)かす。 |
| 大切(たいせつ)な助詞(じょし) | 乗(の)り物(もの) に | 人(ひと)や物(もの) を |
| 例文(れいぶん) | 私(わたし)は、電車(でんしゃ)に 乗る。 (I get on the train.) |
私(わたし)は、友達(ともだち)を 乗せる。 (I give a friend a ride.) |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 「(あなたを)車(くるま)で送(おく)りますよ」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 私(わたし)は、あなたに 車(くるま)に 乗ります。(Watashi wa, anata ni kuruma ni norimasu.)
- 正しい (Correct):
- 私(わたし)は、あなたを 車(くるま)に 乗せます。(Watashi wa, anata o kuruma ni nosemasu.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、「私(わたし)が、あなた(の場所(ばしょ)へ)車(くるま)で乗(の)っていく」のような、変(へん)な意味(いみ)に聞(き)こえます。「あなた」を「乗(の)せる」ので、あなた(目的語)を「を」で示(しめ)し、他動詞(たどうし)の「乗せる」を使(つか)います。
間違い 2: 「バスに乗(の)ります」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 私(わたし)は、バスを 乗せます。(Watashi wa, basu o nosemasu.)
- 正しい (Correct):
- 私(わたし)は、バスに 乗ります。(Watashi wa, basu ni norimasu.)
- なぜ? (Why?):
- 「間違(まちが)い」の文(ぶん)は、「私(わたし)が(船(ふね)などに)バスを積(つ)む」という意味(いみ)になってしまいます。自分(じぶん)が乗(の)るので、自動詞(じどうし)の「乗る」と、場所(ばしょ)を示(しめ)す「に」を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! ( ) に入(はい)る正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
毎朝(まいあさ)、電車(でんしゃ)( ) 会社(かいしゃ)に行(い)きます。
Every morning, I go to work ( ) the train.
- に 乗って (ni notte)
- を 乗せて (o nosete)
Q2.
すみません、空港(くうこう)まで ( ) くれませんか?
Excuse me, could you ( ) me to the airport?
- 乗って (notte)
- 乗せて (nosete)
Q3.
トランクに、スーツケースを ( )。
(I) ( ) the suitcase into the trunk.
- 乗った (notta)
- 乗せた (noseta)
クイズの答(こた)え
Q1. (a) に 乗って (ni notte) – 「(私(わたし)が)電車(でんしゃ)に乗(の)る」からです。(自動詞)
Q2. (b) 乗せて (nosete) – 「(あなたが)私(わたし)を乗(の)せる」からです。(他動詞)
Q3. (b) 乗せた (noseta) – 「(私(わたし)が)スーツケースを乗(の)せる」からです。(他動詞)
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
クイズはどうでしたか? このペアは難(むずか)しいですが、ルールは簡単(かんたん)です。
-
- 乗る (のる) (自動詞 – じどうし):
あなた(主語)が、自分(じぶん)で乗(の)ります。助詞(じょし)「に」と一緒(いっしょ)に使(つか)います。→ 例: 電車(でんしゃ)に 乗る。
- 乗せる (のせる) (他動詞 – たどうし):
あなた(主語)が、誰(だれ)かや物(もの)を乗(の)せます。助詞(じょし)「を」と一緒(いっしょ)に使(つか)います。→ 例: 友達(ともだち)を 乗せる。
- 乗る (のる) (自動詞 – じどうし):
このルールを覚(おぼ)えると、人(ひと)を誘(さそ)ったり、お願(ねが)いしたりする時(とき)に、とても役(やく)に立(た)ちます!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「乗る」と「乗せる」の、一番(いちばん)簡単(かんたん)な違(ちが)いは何(なん)ですか?
- A1: 一番(いちばん)の違(ちが)いは、「誰(だれ)が動(うご)くか」です。
- 「乗る」(のる)は、あなた(主語)がすることです。例:私(わたし)が電車(でんしゃ)に乗(の)る。(自動詞)
- 「乗せる」(のせる)は、あなたが他(ほか)の人(ひと)や物(もの)にすることです。例:私(わたし)が友達(ともだち)を車(くるま)に乗(の)せる。(他動詞)
- Q2: 「乗る」と「乗せる」の反対(はんたい)の言葉(ことば)は何(なん)ですか?
- A2: とても良(よ)い質問(しつもん)です! 反対(はんたい)の言葉(ことば)も、自動詞(じどうし)と他動詞(たどうし)のペアがあります。
- 降りる(おりる): ‘to get off’ (自動詞。「乗る」の反対です)
- 降ろす(おろす): ‘to drop off’ / ‘to let someone off’ (他動詞。「乗せる」のB反対です)
- Q3: どうして自動詞(じどうし)と他動詞(たどうし)は大切(たいせつ)なんですか?
- A3: 文(ぶん)の形(かたち)、特(とく)に「助詞(じょし)」が変(か)わるからです。自動詞(「乗る」など)は、「が」や「に」を使(つか)うことが多(おお)いです。他動詞(「乗せる」など)は、アクションの対象(たいしょう)を「を」で示(しめ)します。
関連記事(かんれんきじ)
- 「開く(あく)」と「開ける(あける)」の違い(自動詞・他動詞のペア)
- 助詞(じょし)「に」と「を」の正(ただ)しい使(つか)い方(かた) [cite: 25, 26, 28]




