「日本について勉強(べんきょう)する。」
この2つの文(ぶん)では、「〜について」と「〜に対して」が使(つか)われています。どちらも「に」がありますが、意味(いみ)は全(まった)く違(ちが)います。
「について」は、テーマ(About)。
「に対して」は、ターゲット・方向(Towards)。
この記事(きじ)では、N3レベルの大切(たいせつ)な文法(ぶんぽう)の違(ちが)いを説明(せつめい)します。
用法解説①: 「について」 (ni tsuite) 〜 テーマ (About)
「〜について」は、話(はなし)や思考(しこう)のテーマ(話題(わだい))を表(あらわ)します。「〜に関(かん)して」や「About」という意味(いみ)です。
考(かんが)える、話(はな)す、書(か)く、調(しら)べる、などの動詞(どうし)と一緒(いっしょ)に使(つか)います。
パターン: 名詞 + について
- 例文 1: (勉強のテーマ)
- 日本(にほん)の文化(ぶんか)について 調(しら)べています。(Nihon no bunka ni tsuite shirabete imasu.)
I am researching about Japanese culture.
- 例文 2: (話のトピック)
- 将来(しょうらい)の夢(ゆめ)について 話(はな)しましょう。(Shōrai no yume ni tsuite hanashimashō.)
Let’s talk about our future dreams.
- 例文 3: (質問)
- この商品(しょうひん)について 質問(しつもん)があります。(Kono shōhin ni tsuite shitsumon ga arimasu.)
I have a question regarding this product.
ポイント: それを「テーマ」にして何(なに)かをするときは、「について」を使(つか)います。
用法解説②: 「に対して」 (ni taishite) 〜 対象(たいしょう) (Towards)
「〜に対して」は、アクションや気持(きも)ちが向(む)かうターゲット(対象(たいしょう)・相手(あいて))を表(あらわ)します。「〜に向(む)かって」や「Towards」という意味(いみ)です。
態度(たいど)(親切(しんせつ)、厳(きび)しい)や、感情(かんじょう)(怒(おこ)る)、対立(たいりつ)(反対(はんたい)する)などの言葉(ことば)とよく使(つか)います。
パターン: 名詞 + に対して
- 例文 1: (態度)
- 店員(てんいん)はお客(きゃく)さんに対して 丁寧(ていねい)です。(Ten’in wa okyakusan ni taishite teinei desu.)
The clerk is polite towards the customer.
- 例文 2: (アクションのターゲット)
- 政府(せいふ)に対して 反対(はんたい)する。(Seifu ni taishite hantai suru.)
To oppose (act against) the government.
- 例文 3: (比較・対比)
- 昨日(きのう)は寒(さむ)かったのに対して、今日(きょう)は暑(あつ)い。(Kinō wa samukatta no ni taishite, kyō wa atsui.)
Yesterday was cold, whereas (in contrast) today is hot. (※これもN3の大切(たいせつ)な意味(いみ)です)
ポイント: 誰(だれ)かに気持(きも)ちやアクションを向(む)けるときは、「に対して」を使(つか)います。
比較:「について」 vs 「に対して」
ニュアンスをチェックしましょう。
| 文法 | 意味 | 機能 | よく使う言葉 |
|---|---|---|---|
| について (ni tsuite) |
〜のことで (About) | テーマ・トピック | 話す、考える、書く、調べる |
| に対して (ni taishite) |
〜に向かって (Towards) 〜とは反対に |
ターゲット・対比(たいひ) | 怒る、親切だ、厳しい、反対する |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 「彼について親切です」
- 間違い (Wrong):
- 彼(かれ)について 優(やさ)しいです。(Kare ni tsuite yasashii desu.)
- 正しい (Correct):
- 彼(かれ)に対して 優(やさ)しいです。(Kare ni taishite yasashii desu.)
- なぜ? (Why?):
- 「優しい(Kind)」は、相手(あいて)(ターゲット)への態度(たいど)です。「彼というトピック」が優(やさ)しいわけではありません。「に対して」を使(つか)います。
間違い 2: 「問題に対して考える」
- 間違い (Wrong):
- この問題(もんだい)に対して 考(かんが)えています。(Kono mondai ni taishite kangaete imasu.)
- 正しい (Correct):
- この問題(もんだい)について 考(かんが)えています。(Kono mondai ni tsuite kangaete imasu.)
- なぜ? (Why?):
- 「考える」は、頭(あたま)の中(なか)でする活動(かつどう)です。その中身(なかみ)(テーマ)を言(い)うときは、「について」を使(つか)います。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! 正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
先生(せんせい)は、学生(がくせい) ( ) 厳(きび)しいです。
The teacher is strict ( ) the students.
- について (ni tsuite)
- に対して (ni taishite)
Q2.
日本(にほん)の歴史(れきし) ( ) 本(ほん)を書(か)きました。
I wrote a book ( ) Japanese history.
- について (ni tsuite)
- に対して (ni taishite)
Q3.
彼(かれ)の意見(いけん) ( ) どう思(おも)いますか?
What do you think ( ) his opinion?
- について (ni tsuite)
- に対して (ni taishite)
クイズの答(こた)え
Q1. (b) に対して – 「厳しい(Strict)」は、学生(がくせい)に向(む)けた態度(たいど)です。
Q2. (a) について – 歴史(れきし)は、本(ほん)のテーマ(中身)です。
Q3. (a) について – 意見(いけん)というトピックに関(かん)する考(かんが)えを聞(き)いています。
まとめ: 大切(たいせつ)なポイント
- 〜について: テーマ。「それについて話(はな)す・考(かんが)える」。
- 〜に対して: ターゲット。「それに対(たい)して怒(おこ)る・親切(しんせつ)にする」。
動詞(どうし)や形容詞(けいようし)を見(み)て、「話(はなし)の中身(なかみ)かな?」「相手(あいて)への態度(たいど)かな?」と考(かんが)えてみましょう!
よくある質問(FAQ)
- Q1: 人(ひと)に「について」を使ってもいいですか?
- A1: はい。「田中さんについて話す」は、田中さんが話のトピック(話題(わだい))です。「田中さんに対して話す」は、田中さんに向(む)かって(田中さんを相手(あいて)に)話すことです。
- Q2: 「に対して」は「比較(ひかく)」の意味もありますか?
- A2: はい、あります!これもN3文法です。「Aに対してB」は、「Aとは対照的(たいしょうてき)に、Bは…(In contrast to A, B is…)」という意味で使います。例:父は厳しいのに対して、母は優しい。
- Q3: もっと丁寧(ていねい)な言い方はありますか?
- A3: 書(か)き言葉(ことば)では、「〜につき(について)」や「〜に対し(に対して)」という形(かたち)を見るかもしれません。これらは少し硬(かた)い表現です。
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