でも、「It was good.」は、「よかったです」と言(い)います。
どうして「いい」が「よ」に変(か)わったのでしょうか?
日本語(にほんご)には、Goodを意味(いみ)する言葉(ことば)が2(ふた)つあります。「いい」と「よい」です。意味(いみ)は同(おな)じですが、文法(ぶんぽう)のルールが違(ちが)います。これは、N5の大切(たいせつ)なポイントです。
この記事(きじ)では、「いい」と「よい」の正(ただ)しい使(つか)い分(わ)けを説明(せつめい)します。
用法解説①: 「いい」 〜 会話(かいわ)&現在形(げんざいけい)
「いい」は、主(おも)に会話(かいわ)で使(つか)います。カジュアルで自然(しぜん)です。
しかし、大(おお)きなルールがあります。「いい」は、現在形(げんざいけい)のまま(辞書形(じしょけい))でしか使(つか)えません。 形(かたち)を変(か)える(活用(かつよう)する)ことができません。
- 例文 1: (肯定・現在)
- それは、いいですね!(Sore wa, ii desu ne!)
That is good!
- 例文 2: (名詞を修飾)
- 今日(きょう)は、いい 天気(てんき)です。(Kyō wa, ii tenki desu.)
Today is good weather.
- 例文 3: (カジュアルな質問)
- これ、いい?(Kore, ii?)
Is this okay? (Casual)
ポイント: 話(はな)すときは、いつも「いい」と言(い)いましょう。でも、絶対(ぜったい)に形(かたち)を変(か)えてはいけません!
用法解説②: 「よい」 〜 書き言葉&活用(かつよう)
「よい」は、元(もと)の形(かたち)です。主(おも)に書(か)き言葉(ことば)や、フォーマルなスピーチで使(つか)います。
一番(いちばん)大切(たいせつ)なのは、形(かたち)を変(か)える時(とき)(過去形(かこけい)や否定形(ひていけい))は、必(かなら)ず「よい」を使(つか)うということです。
- 過去(かこ): よかった (yokatta)
- 否定(ひてい): よくない (yokunai)
- て形(けい): よくて (yokute)
- 例文 1: (過去形)
- 昨日(きのう)は、天気(てんき)がよかったです。(Kinō wa, tenki ga yokatta desu.)
The weather was good yesterday. (「いかった」ではありません)
- 例文 2: (否定形)
- 気分(きぶん)がよくないです。(Kibun ga yokunai desu.)
I don’t feel good. (「いくない」ではありません)
- 例文 3: (書き言葉)
- とてもよい経験(けいけん)でした。(Totemo yoi keiken deshita.)
It was a very good experience. (作文(さくぶん)などでは「いい」より「よい」が良(よ)いです)
ポイント: 語尾(ごび)を変(か)えるときは、いつでも「よ(Yo)」の音(おと)にスイッチしてください。
比較:「いい」 vs 「よい」
活用表(かつようひょう)で確認(かくにん)しましょう。
| 形(かたち) | いい (ii) | よい (yoi) | 正(ただ)しい使(つか)い方(かた) |
|---|---|---|---|
| 現在(辞書形) | いい (ii) | よい (yoi) | 会話(かいわ)は「いい」。 書(か)く時(とき)は「よい」。 |
| 否定(よくない) | いくない (ikunai) | よくない (yokunai) | いつでも 「よくない」。 |
| 過去(よかった) | いかった (ikatta) | よかった (yokatta) | いつでも 「よかった」。 |
| て形(よくて) | いって (itte) | よくて (yokute) | いつでも 「よくて」。 |
| 副詞(よく) | いく (iku) | よく (yoku) | いつでも 「よく」。 |
よくある間違(まちが)いの例(れい)
間違い 1: 「よかったです」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- 映画(えいが)は、とてもいかったです。(Eiga wa, totemo ikatta desu.)
- 正しい (Correct):
- 映画(えいが)は、とてもよかったです。(Eiga wa, totemo yokatta desu.)
- なぜ? (Why?):
- 「いい」には過去形(かこけい)がありません。「よい」の過去形(かこけい)を使(つか)わなければなりません。
間違い 2: 「よくない」と言(い)いたい時(とき)
- 間違い (Wrong):
- それはいくないです。(Sore wa ikunai desu.)
- 正しい (Correct):
- それはよくないです。(Sore wa yokunai desu.)
- なぜ? (Why?):
- 「行く(いく)」は “to go” です! “Not good” は、「よく」+「ない」です。
練習問題(クイズ)
クイズでチェックしましょう! 正(ただ)しい言葉(ことば)を選(えら)んでください。
Q1.
(話(はな)している時)「それ、( ) アイデアですね!」
(Speaking) “That is a ( ) idea!”
- よい (yoi)
- いい (ii)
Q2.
昨日(きのう)のテストは、あまり ( )。
Yesterday’s test was not very ( ). (Past negative)
- いくなかったです (ikunakatta desu)
- よくなかったです (yokunakatta desu)
Q3.
頭(あたま)が ( ) なりたいです。
I want to become smart (head becomes good).
- いく (iku)
- よく (yoku)
クイズの答(こた)え
Q1. (b) いい (ii) – 会話(かいわ)で、現在形(げんざいけい)なので、「いい」が一番(いちばん)自然(しぜん)です。
Q2. (b) よくなかったです – 活用(かつよう)(否定(ひてい)+過去(かこ))する時(とき)は、いつも「よい(よく)」ベースです。
Q3. (b) よく – 副詞(ふくし)の形(かたち)(〜くなる)は、いつも「よい(よく)」ベースです。
まとめ: ゴールデンルール
覚(おぼ)えることは簡単(かんたん)です。
- 話(はな)す時(とき)(現在形(げんざいけい)): 「いい」を使(つか)う。
例: いいです。 - 形(かたち)を変(か)える時(とき)(過去(かこ)・否定(ひてい)): 「よ」に変(か)える。
例: よかった、よくない。
「いかった」はダメ! 「よかった」です! これを覚(おぼ)えてくださいね。
よくある質問(FAQ)
- Q1: 「いかった」と言(い)ってもいいですか?
- A1: いいえ、言(い)ってはいけません。「いい」は、形(かたち)を変(か)えることができません。過去形(かこけい)にしたい時(とき)は、「よい」を使(つか)って変(か)えなければなりません。「よい」+「かった」=「よかった」です。
- Q2: 話(はな)すときは、どちらを使(つか)いますか?
- A2: 日常会話(にちじょうかいわ)で、現在形(げんざいけい)のときは、「いい」を使(つか)ってください(例:いいですね)。自然(しぜん)で親(した)しみやすいです。「よい」は、話(はな)すときには少(すこ)し堅(かた)く(formal)聞(き)こえます。
- Q3: 「かっこいい(Cool)」も同(おな)じルールですか?
- A3: はい!「かっこいい」は、「格好(かっこう)(appearance)」+「いい(good)」です。ですから、過去形(かこけい)は「かっこよかった」です。「かっこいかった」ではありません。
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